フェンダー・ムスタングベース (Fender Mustang Bass) は、フェンダーのエレクトリックベース。2つの派生機種、ミュージックマスターベースとブロンコベースも同じ形状のボディとネックを使用して製造された。

1966年にショートスケール、2ピックアップのムスタングの相方として発表された、レオ・フェンダーがフェンダー社で最後にデザインしたエレクトリックベースである。30インチのショートスケールで、1基のスプリットピックアップ(プレシジョンベースの物に似ている)を装備。ボリュームとトーンは1つずつで、弦はスルーボディである。初期のプレシジョンベースやジャズベースと同様、ミュート機構付きである(もっとも、ほとんどのプレイヤーが外してしまうが)。

標準的な仕上げは、レッドとホワイト。他のフェンダーギターと同様、1968年まではニトロセルロース・ラッカー仕上げだったが、以降はポリエステル仕上げになった。1968年から、ギターとベースの両方にコンペティションモデルが登場。レッドボディに白のストライプ、レークプラシッド・ブルーにライトブルーのストライプ等。後には、シンプルなブラックやサンバーストも選択可能になった。ラッカーの褪色により、レアなサーフグリーンになった物もあるが、これはコンペティション・ブルーが黄色化したものである。

1981年まで生産が続けられ、後に日本製として再生産されている。

ミュージックマスターベースは1960年代半ばに発表され、当初はスチューデントモデルと発売された。スプリットコイルではなくシングルコイルピックアップ(ピックアップカバーの下に隠されているのは、実はポールピースが6つあるストラトキャスターの物)を搭載している。こちらも、ムスタングベースとほぼ同時期に製造終了した。スクワイア・ミュージックマスターベースは1997年に製造されたが、わずか1年後のみで製造終了となり、ブロンコベースにその座を譲った。

使用ミュージシャン

  • アラン・ランカスター(ステイタス・クォー)
    • ムスタングベースとミュージックマスターベースを使用した。
  • デニー・レイン
    • ウイングス時代、ポール・マッカートニーがピアノやギターを弾く際に、このベースを弾いた。
  • クリス・マーフィー(スローン)
  • ディー・ディー・ラモーン(ラモーンズ)
  • ティナ・ウェイマス(トーキング・ヘッズ)
    • バンド初期に使用。
  • ビル・ワイマン(ローリング・ストーンズ)
    • 1960年代後半から1970年代初頭にかけて使用。
  • トレバー・ボルダー(スパイダーズ・フロム・マーズ)
  • コリン・モールディング(XTC)
    • 1979年にミュージックマスターベースを使用。
  • トンプソン・ツインズ
    • 1983年のテープ「ホールド・ミー・ナウ」でミュージックマスターベースを使用。
  • ゲイリー・ジャーマン(クリブス)
    • バンドのデビュー・アルバムで使用。
  • ホルガー・シューカイ(CAN)
    • ストラップピンをボディトップ面に移設、彫り込みのフィンガーレスト等の魔改造で使用。
  • 北里晃一(THE MODS)
    • デビュー当時から使用。
  • 射守矢雄 (bloodthirsty butchers)
    • 結成初期(1990年頃)から使用。
  • 亀田誠治(東京事変)
    • 車屋さん,OSCA等のPVで使用。
  • 高城晶平(cero)
  • 千葉真奈美( D.W.ニコルズ)

  *1969年製を使用。

  • 滝本晃司(たま)
    • フレットレスにして使用。
  • 城間俊雄 (紫)
  • レック(フリクション)
    • 重量バランス対策としてホーン側ストラップピン位置を延長して使用。

外部リンク

  • Mustang Bass - フェンダー・ジャパンの機種情報ページ
  • Mustang B - フェンダー公式サイト(英語)
  • スクワイア・ブロンコベース



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